男女群島釣行記二日目の続き
『大物ファイトのツケ』 朝の4時頃、船のエンジン音で目が覚める。 昨夜は結局、リーダー組んでたら12時を越えてしまい、急いで寝ないとっと思いながらもウィスキーをクピクピ飲んでいた。 なんか、停泊している船で寝るのが初めての体験で、楽しくて楽しくて、ついつい深酒をしてしまった。 しかし、今日はもう始まっている、寝不足?、3時間も寝れば十分じゃんね。 眠い目を擦ってボケーっとしてると、船のエンジン音は大きくなり、揺れが大きくなる。 「もう出発してる、急がないと」 と起き上がろうとする意思に反し、身体が動かない。 「あれ?」 身体が・・・、動かない。 昨日の一日中続けたキャスト、恐らく主にファイトで身体を酷使した反動が、これ、全身筋肉痛。 特に胸鎖乳突筋、僧帽筋、広背筋、上腕二頭筋、同じく三頭筋、あと大腿部の各筋、もうバッキバキ。 行く前に、主に大物とのファイトを想定したトレーニングをしばらくしていたにも関わらず。 シミュレーションはあくまでも仮想的空間で行われるもので、実フィールドとは似て非なるものであるということを改めて感じた。 でも、やってなかったらもっとひどかったね、きっと。 ビキビキで動くたびに全身から聞こえる筋肉の悲鳴、これはとっても・・・心地よい。 多分、この釣りをしてて、そういう風に感じる人って多いんだろうね、ね! そんな重い身体を引きずるようにして荷物をまとめデッキに出た。 外に出るとすでに、磯に船をつけて弁当を配っている最中であった。 その時に、磯替わりを希望する人は荷物全部持って船に上がる。 中には、デカイのに切られ過ぎて、もう切りあげるおっちゃんも居た。 「もうやめやめ、あんなデカイのばっか掛かったら話にならん」 流石は男女、釣り人の心を意図も簡単にへし折ってくれる、だからこそ燃える人が多いのだろう。 基本的に釣った魚はドンゴロスに入れて気化熱で冷やしておき、このように船が回って来たら船に一度上がって自分のクーラーボックスに入れる。 魚が入ったクーラーボックスには、後で船長さんポーターさんが氷を入れる。 ここまで、自分は魚をキープしていないので、もちろんクーラーボックスは空っぽで軽い。 あじかは1泊2日(実質2泊3日)便しかないので、2泊3日をする場合は次の日の便に乗せてもらうことになる。 荷物は後で乗せ換えてもらうので、やっぱり名前は必須。 自分の場合は、クーラーボックス(笑)なので、荷物全部持って上磯することになる。 従って、ヘリオスの船長さんポーターさんとはここまで、ホント色々とお世話になりました。 昨夜の話では、どこへ乗せようねぇって言ってたけれども、あの、テレビ(正確にはYoutube)で見た『帆立岩』に乗せてもらうことに。 やばいやばいやばい、ワクワクが収まらない、あの磯に乗れる、やった、やった。 船は女島周囲の磯で弁当を配り終わった後、帆立へと面舵?取り舵?暗くてどっち向いてるかよく分からんけど、とにかくいっぱい! 『釣りロマンで見たあの磯へ』 事前に唯一名前を知っていた磯、帆立岩に上陸。 釣りロマンで男女群島の放映を知り、その日楽しみにしていたのだが、普段テレビを見る習慣の無い自分はうっかり見逃してしまった。 その時の絶望感といったら・・・もう(´・ω・`) その後、Youtubeでアップされているのを見つけ、狂喜乱舞、何度も、何度も食い入るように見たあの帆立に、今自分は立っている(`・ω・´) その風貌は、画面で見たまんま、ポツンと切り立った磯が立ちはばかっている、まっ暗だけどね。 目線の高さに打ちつけられているアンカーボルトにロープを結び、オーシャンベルトと繋ぐ、落ちたら引っ張ってくれる人いないしね。 上磯する前にもらった弁当を暗いうちに食べようと思い、レトルトカレーを湯煎する。 と、その時、ヘッドランプのバンドが外れた。 暗い中でなかなか取りつけられない、どうしよう・・・。 焦るこたぁない、もう一つのヘッドランプを装着して、照らせばバンドを付けれるじゃない。 予備を持ってくるのが、電池切れや紛失のためだと思っていたら、思わぬところに伏兵が隠れていた。 まぁ、今考えたら、iPhoneのライトで照らしながらでも別によかったじゃんねって思うけど、その時は一瞬絶望感・安堵感に打ちひしがれていた。 ってか、交換でいいじゃんね、でも、もう一個のはデルタピークで重いんだもん。 そんな茶番を独りで繰り広げながら、湯がグツグツと音を立て始めたので、レトルトカレーを取りだし、さっそく弁当に掛けてみる。 「(*゚∀゚)=3」 これは、旨い! 100均で買ったレトルトだったけど、今まで食べたどんな名店のカレーライスよりも旨い。 船長さんが炊いたご飯も旨い。 これが『男女deカレー』、か。 ガツガツとカレーをかき込み、コーヒーを入れる、すする、まさに至福のひととき。 そうこうしているうちに、ぼんやりと辺りがうす明るくなってきたので、早速プラグをキャスト。 面白いように流されていく、1m/s程度、時速に直すとだいたい4km/h、人が歩く速さ。 100m流し、引く、150m流し、引く、200m流し、引く。 色々と流してみて、これだと思う動きを見せるルアーでしばらくやる、リップスライド。 100m以上流して、引くこと数回、ピックアップ直前、足元で、 「ボゴン!」 デカイ水柱と共に、ヘミングェイを通じてその凶暴な衝撃が、手に、腕に、身体全身に伝わる。 来た、マサだ。 そう考えるより先に、身体が反応した、合わせを入れる。 それから、すぐさまグリップエンドをオーシャンベルトに当て、戦闘態勢に。 今度は負けられn・・・フッ。 フックアウト。 クソォーーーーヽ(`Д´)ノ 一気に急上昇した心拍数、高鳴った鼓動、息切れして肩で呼吸する身体は、戦う準備は万端だったんだけどねって自分に言っている様だった。 悔しい、ハァハァ。 回収したルアーのフックには、何故だかフジツボが貫通している。 このフジツボがあれだけの突っ込みを見せる訳もなく、まさかマサがフジツボに食われた訳でもあるはずないない。 もしかしたら、これが深くフッキングするのを阻止していたのか・・・などと考えながら、外すのに手こずりながら、ポイッと。 それからしばらくトップでやるも、散ってしまったのか、警戒心が高まったのか、当たりを得られずにミュートスに持ち替えた。 今回ミュートス・ソルティガはジグ専用、昨日の教訓でドラグは10kg程度に締めあげる。 これ以上締めたら折れちゃう、気がする。 100gで、主にボトムを攻める。 が、しかし、底になかなか着かない、1分、2分、3分・・・。 怖くなって、途中からワンピッチ、ツーピッチ。 グリップエンドを最初からオーシャンベルトに当て、おっさんジャークスタイルで。 いち早く全力で浮かせる為に、最初から臨戦態勢で。 数投、四方にキャスト。 2時の方向から、またもやピックアップ直前、足元から10m程度離れラインが刺さっている位置で、もさっとしたアタリ。 それから、瞬時にティップが絞り込まれ、ついにはバット部分が折れそうなほど曲がる。 ググーッと強烈な引き、渾身の合わせを2度3度入れ、戦闘開始。 ひたすら潜るのに対し、ひたすらゴリ巻く。 ミュートスが有り得ないほど曲がる、微かにドラグも出る、しかし、そんなことはお構いなくただ、ひたすら、巻く。 例え折れても構わない、こいつを仕留められれば。 ガンガン巻き上げる。 あと少し・・・。 すると、もう姿が見えそうなところで急激に突っ込む。 マズい、このままだと足元の岩場に摺る。 どうする、耐えるか、しかしもう昨日の轍は踏みたくない、と思い、ベールフリー・・・、そのまま、フックアウト。 膝から崩れ落ちる。 「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」 ヘミングウェイに持ち変え、ローデッド。 フルキャストした先、チョンチョンっと2~3度アクションさせると水柱が立つも掛からず。 その後はまったく音沙汰無し。 潮の流れが逆になった 昼飯に豚骨ラーメン。 弁当出ないのは今日と明日の昼。 食料があまり気味なので替え玉で食す。 足元を見ると、クロが泳いでるのが見える。 赤い小魚も沢山、なんだろう、サビキを落とすも釣れず、なんも釣れない、悔しいのう悔しいのう。 昼の見回りでブラックカイザー、帆立岩での続行意思を表明。 「次来る時(夕方)は荷物まとめとかんといかんですからね~」了解です。 ジャケットのチャックを締めようとしたら、Rivalleyって書いてあるタグが取れた。 その後、手を変え品を変え、色々試すがアタリ無し。 夕方近く、潮の流れも今朝と同じ方向に戻る。 風波も立ち、雰囲気十分、気合十分だったのだが、音沙汰無く、タイムアップ。 船に荷物を乗せ、「船に泊まらせてください」。 スピーカーから「了解~」と聞こえた。 『2回目の船泊』 この船には韓国の人が多数。 ライフジャケットの後ろにハングル語で何やら書かれており、その下に「Field tester」の表記。 別の人は、2~3kgは入っていそうなキムチの大きな袋を手に、上磯。 長い夜のお伴なんですね。 そうやって、自分以外の全員を夜釣りポジションに磯替え&弁当を渡し、昨日と同じワンドに入る。 錨を下ろし、停泊。 違う船、寝床は適当に空いてる所へ。 横たわると一瞬にして意識を失った。 目を覚ますと、「ご飯できとるよ~」と船長さん、すいませんありがとうございます。 本日の晩御飯は、スキ焼き的な料理と、昨日と同じくクロの刺身、クロの白子、魚入った味噌汁、○ー○、○本○(○) 特に、クロの白子、初めて食べたけど、メチャウマ。 「好き嫌い分かれるけどね~」 ニンニクみじん切りしたやつを乗せてワサビ醤油で食べるのが通?これが旨かった。 んで、今日も馬場さんの話。 馬場さんがいい人だって言う話や、高橋さんの釣ったカツオが美味かったっていう話など。 カイザーの船長さん、高橋さんが乗船したときにポーターとして乗っていたらしく、間近で釣るのを見ていた模様。 帰港後、高橋さんは次の収録に直行しなければならなかったみたいで、魚は全部置いてったって。 で、カイザーの船長さんはカツオをもらって、帰って食べたみたいなんだけど、あんな旨いカツオ食った事なかったと。 身を切ると包丁が脂でギトギトに、醤油に付けると皿に広がる脂、もう旨いのなんのっていう話でこの日の夜は更けていった。 あー、あと、マグロは大体、沖赤瀬や鮫瀬、帆立岩で釣れてるって話も聞いた。 今日居た韓国の人達はツアーで来てるんだって。 そういえば、一人荷物を率先して積み下ろしてたり、韓国の人がいる磯に弁当渡す時、通訳やってたっけ。 あの人が添乗員的な感じなのね、最後降りるときキムチ持ってったけど。笑 他にも色々と話をお聞きしたけど、それは伏せとこっ。 「明日はどこに乗せようかねぇ~」、「え、イクラ送ればいい磯乗せてもらえるんですか?!笑」 特に鮫瀬に乗せる事について、色々としがらみが多いことを聞いた。 その中でも、船長さんは、「こう、若い人をね、鮫に乗せた時のあの喜び様、あれはホントいいよね、若い人に頑張ってもらいたいよね」。 この船長さん、アツい。 そうこう話しているうちにポーターさんは寝床へ。 未開封だった○○○もほとんど空。 この船長さん、強い。 自分そろそろ限界っす、お休みなさいませ。 リーダーを組み直し、就寝。 明日は泣いても笑っても最後、頑張らなきゃ。 男女群島釣行記四日目に続きます。
by sakanatsurinisshi
| 2013-03-09 00:46
| 遠征
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