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漕いで獲った一尾の重さ ~カヤックフィッシング~

とうとう買ってしまいました。
シーカヤック。
もちろん釣り用です。
購入に踏み切った経緯は諸般ありますが、一番の理由はショアから届かないあのナブラにルアーを投げ込みたいという想い、これに尽きます。
ちょうど周りに自分と同時期に購入した方もおり、色々とアドバイスを頂きました。
今回は購入してから一本釣るまでの出来事を時系列無視して書いていきたいと思います。
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昨年からショアブリを開始し、9月頃からは磯に入ることも多くなった。
本格的なタックルが揃ってからはますますブリに対する想いも強くなり、遠くのポイントへ足蹴に通う日々が続いた。
そんな中、ときたま目にするナブラや鳥山。
しかし、その多くがキャストレンジ外で、鰤と思われる魚種がベイトを水面に追いつめバシャバシャと捕食するシーンをただただ指を咥えて見守ることしか出来ない事が多かった。

『あのナブラまで届けば・・・』

今年に入り、シーズンインする少し前の時期から通うも、なかなかヒットしない日々が続き、遠目のナブラを眺めながら、なんとかならんもんか、と考えていると、はっ、と妙案が浮かんだ。

『浮けばいいんじゃん・・・』

そう、浮かぶという案が浮かんこうして、じゃあ何を買えばいいのかを探す日々が始まった。
資金は引き出しやら書類の隙間やら放置していたFXの口座やらをあさるとザックザック。
バイクも北海道では夏限定の趣向品、釣りがメインの今の生活ではほとんど乗らないので売っぱらった。
こうして購入資金を確保し、購入したのはfeelfreeのシット・オン・トップカヤック、『ニュージェミニ』。
スペックは以下の通り。

全長375cm、全幅81cm、重量28kg、最大積載量250kg

タンデム艇で、自分の体重が約60kgなので、250-60=190kg、装備等含めると、同乗者に求める体重の上限は少なく見積もっても150kg程。
自分含め、同乗者に減量を求めなくてもいいということがこの艇にした決め手(嘘)。
こうして大海原へ繰り出す手段を獲得した自分は浮っウッキウキだった。

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さて、初出艇の日、友達がカヤック仲間を紹介してくれて、同行させて頂けることに。
本当に心強い限り。
進水式にはシャンパンならぬスパークリングワインを用意し、勢いよく振り、コルクを抜く。

ボジョボジョボジョ・・・

あれ?もっと勢いよく出るはずじゃ・・・。
って、後から考えたら、口を手で狭めないとダメだった・・・orz
まぁ、とりあえず、全体に掛け、安全祈願の儀式を行い、いざ出艇。


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『おお、浮いてる!』

この日はシーカヤック初心者には有難い海況で、無風、ベタ凪。
パドリングは、幼き頃、近所のB&Gという施設のカヌー教室に通った時にやった程度。
グアムの真っエメラルドグリーンの海で乗ったりしたのはいい思い出だが、もう十数年も前の話なので、初体験も同然、同乗した相棒ももちろん初。
そんな二人がたどたどしいパドリングで、先を進むカヤック仲間を追いかけるが、もちろんまったく追いつけない。

とりあえず、初めてなので、この状況に慣れることを優先し、のんびりと漕ぐ。
すぐ疲れる、漕ぐ、疲れる、休む、相棒船酔いで撃沈、自分は頑張って漕ぐ、そんな感じ。
漕いだりジグを投げたり遊んでいると、遠目に大規模な鳥山を発見。
向かってみると、鳥がバシャバシャ、魚もバシャバシャ、そんな状況がすぐ目の前で行われているところまで近づくことができた。
プラグを投げるも魚は沈んでしまい、結局反応は得られなかったが。

しかし、この状況は素直に嬉しかった。
行きたいけど行けない、投げても届かない、もどかしい思いをし続けたナブラのすぐ傍まで近づくことが出来たのだ。
自分の中でこれは大きな衝撃で、嬉しすぎてずっとニヤニヤしていた。
相棒はバウまで足を伸ばしゴロゴロしていた。

結局、初日はロッドを通じての魚の反応を得ることは叶わなかった。
いや、初日だけでなく、しばらくは得られなかった。
行けど、漕げど、キャストせど、まったく釣れぬ、そんな日々。
しかし、海に出る度に得られる新しい経験、見たこともない景色。
その中の、特に印象的だった出来事を幾つかをピックアップしたい。





・子鳥山
写真からお分かり頂けるだろうか。
右側にいる鳥が恐らく親鳥で、左側が無数の子鳥達である。
この写真は子鳥達が海面の藻か何かをついばんでいるのを親鳥が近くで見守っている様子を写したものだが、この子鳥達が海面スレスレを群れを成して右へ左へ飛ぶ姿は圧巻だった。
始め、鳥山かと思い、近づいてルアーをキャストしようかと思ったが、どうもサイズがおかしい事に気が付き、やめたのだった。
やめてよかった。
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・鳥山
言わずと知れた、アングラーを興奮のどん底に落としてくれる鳥山。
あるポイントへ行ったときに、頻繁にあちらこちらで鳥山が発生し、その大半に追いつくことが出来た。
もちろん海面では、バシュバシュっとブリと思われるナブラが起こっている。
しかし、キャストするが全然食わない。
明らかにナブラの向かう先にルアーが届いているにも関わらず食わない。
手を変え品を変え、色々やってみるが、結局食わせる事が出来なかった。
ナブラに届いても食わせられないことがある、ということを改めて痛く感じた。
次こそは・・・。
写真は鳥達と戯れる仲間たち。
経験豊かな仲間はこの時にしっかりと一本ゲット、さすが!
自分と同じく始めたばかりの仲間は誰よりも最初に一本釣ってた、いいね!
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・海上での食事
何の変哲もない只のカップ麺、いつもは非常食として引き出しの奥にしまわれているが、釣り場で食べると美味い事に気が付き、それからは可能な限り携行していた。
しかし、これを海上で食べたら、思いの他すこぶる美味かった。
例えるならば、真夏の晴天炎天下無風灼熱の海上でシーカヤックに乗ったアラサーのアングラーが波に漂いながらカップをつつき麺をすすっているかの如くの旨さ、ってそのままか。
いや、しかし、日常となりつつある非日常の空間に、日常のモノを持ち込むのは楽しいもんです。
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そんな経験(?)を経て、ベタ凪無風だった先週末に再度ひと浮きしてきた。
これまでカヤック仲間と出たり、単独ソロで出たりと色々だったが、今回は初めての単独タンデム。
自分は今回で6回目、依然として準備に時間は掛かるが、パドリングは大分慣れた。
少なくとも目的のポイントまでほぼ休みなく漕ぎ続ける持久力はついた。
魚探は2回目、使い方も大方理解し、フィッシュアラームを入れたり切ったりすることを覚えた。
同行の相棒も2回目、酔い止めという薬を口から喉を通じて胃袋に入れ、気合い十分である。

『バシュ』 

出艇してすぐ、水深にして10数メートルの位置で水柱が上がった。
いる。
すぐそこに。
結局、投げたプラグに食らいつくっていうことはなかったが、ポイントへ向かう途中で幾度となくそういう状況を目にした。
耳にもした。

海面を意識してるんだろうかね、とか思いながらポイントについて投げるのはジグ。
トップを引くと、興味を示してくれるのは鳥ばかりだったので、そういう選択をした。
潮はさほど動いていない状況。
近くのボートの人が楽しそうに青物とやりとりする姿を横目にひたすらシャクる。

すると、相棒、このニュージェミニで初の魚を釣る。
35cm程のマゾイ。
まさか先を越されるとは、と微塵程感じながら、素直に嬉しい一匹。
自分はというと、モソッというアタリが数度程度、掛けるに至らない。
今日は何かあるかもしれない、と言われ、自分でもそうかもしれないと思いながらシャクる。

『モソッ』

ん?
なんか掛かったかな?
着底から5~6回ほどワンピッチした辺りでヒット。
しかし、まったく引かない、掛かってるのかどうなのかも分からない、かすかに竿先が曲がる程度。
グイグイと軽く追い合わせを入れ、引きを確認しながらゆっくりと巻く。
ソイかな?
すると、
徐々に、
徐々に、
段々と重くなり、
終いには、

『ジジ、ジーーーーーーーーー!!!』

奴だ!!
突然悲鳴を上げるソルティガZ4500。
止まらんドラグ、しなるロッド、もう気分は最高潮。


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しかし、グリップを脇にかかえるこの体勢、すんごく辛い。
只でさえジグを振り続けて腕に疲労が溜まってるのに、追い打ちを掛けるかのごとく負荷が掛かっているのだ。
テレビとかでこの体勢でヒットからランディングまで持ち込むシーンをよく目にしていたのでやってみたが、とてもじゃないけど腕が持たない、竿を立てる事が出来ない。
しかし、あっちは元気そのもの、こっちの疲労なんてお構い無しでガンガン突っ走る。
それもそのはず、向こうは命がけ、しかし、こっちも結構命がけ、負けてなるものか。

『ジジジジィーーーー!!』


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ロッドが海面に突き刺さり、第五ガイドまでもが海の中。
キツイキツイ、もう腕上がらない、もう無理(喜)。
仕方ないのでロッドエンドを太ももら辺に当ててみる。


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あ、すんごい楽(・∀・;)

ってか、なんで数分やり取りして限界ギリギリになるまでそうしなかったのかは分からない。
恐らく必死過ぎて、そうすること自体頭から抜け落ちていたんだろう、きっと。
んで、ゴリ巻きはちときつかったのでポンピングで軽々と寄せる。
魚探のフィッシュアラームはピッピッと鳴り、その魚が真下を泳いでる状況を示していた。


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姿が見えた、青物だ。
楽な体勢になってからは1分と掛からず海面に姿を現した青物。
イエローの尾と横のラインが憎らしい。


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海面で存分に空気を吸った青物はすぐに大人しくなったので、ためしにオーシャングリップでのランディングを試みる。
なかなかうまく咥えられず、両手共にプルプルしながら、あちらもイヤンイヤンと首を振りながら、なんとか口に入り、無事ランディング。


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『あーーー、疲れた!』

獲った瞬間の一言。
それまでの緊迫していた雰囲気から解放され、筋肉も緊張状態から弛緩状態へ移行、安堵の瞬間である。
オーシャングリップ越しに伝わるその重さは、紛れもなくこちらに軍配が上がったことを示していた。


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『よっこいしょ!』

まぁ、とりあえず、嬉しいから持ち上げてみた。
とりあえず、重い。
重量感たっぷりのその個体。
数秒この体勢を維持するだけでもすぐに腕がプルプルしてくる。


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70cm、4kg、ワラササイズの十分立派なフクラギ。
地味にサイズ、というかウェイトアップ。
使ってるタックルが違うので比較はできないが、やはり前回の3kgよりは引いた気がする。
というかこやつ、

ランディング→両足の間のスペース→暴れる→(;゚∀゚)=3

ホント危険。
ジグついたままだとより一層身の危険を感じる。
頭をあっちに向ければ大丈夫かな。
でもそれだったらフック外しづらいし、どうしたものか。
まぁ、また次回考えます。
それでちょうどいい時間だったので、そのまま帰岸してパシャリ。
自身のカヤックフィッシング初物は十分立派なフクラギだった、チャンチャン。


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っというわけで、カヤックフィッシングを始めてから今までをサラっと書いてみました。
前回帰岸する際、血抜き後のフクラギはストリンガーに掛けて海中に入れたまま漕いだのですが、むちゃくちゃ重くて苦労しました。
1km/h程度速度が落ちる感じ、どんなに全力で漕いでも4km/h出るかでないか。
天気よかったし、身を日に晒すのは鮮度落ちるかなと思ってそうしたんですが、あまりにも大変なので、次回からは巧い方法を考えます。

また、漕いでる最中、近くをプレジャーが通り過ぎたのですが、Uターン、こちらに近づいてくるではありませんか。
なんかあったのかな、とか思ってると、

『エンジン付いてんのかい?大丈夫かい?』

と、心配になって声を掛けに来てくれたのでした。
今までは、すぐ傍を全力で突っ走ってくボートにしか会ったことがなかったので、本当に嬉しく思い、有難い限りでした。
あれ、たどたどしいパドリングだったから心配してくれたのかな。

やっぱエンジン付きはいいっすね。
どこまでも行けそうな気がします。
しかし、カヤックの利点も色々とあるので、次回はそれを最大限に生かして、一本釣りあげたいと思います。
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by sakanatsurinisshi | 2012-08-31 01:55 | カヤック


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